いつもは客席側、でも愉しい音楽の時間を糧に

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音楽大学を卒業後、音楽を直接の生業とはせず、他に仕事をもつ道を選びました。

作曲や演奏、評論といった音楽現場の第一線で活躍できる人はほんの一握り。

多くの音大出身者は私と同様、客席側の人間となります。

それでも小さい頃から慣れ親しんだ音楽は大切な存在で、生活の傍らにはいつも音楽がありました。

演奏会に出掛けたり小さな曲を作ったり、年に1~2回ステージに立つことを愉しみ、気持の励みにしながらの暮らしだったかなぁ、と思います。

忙しさが重なると、仕事との切り替えや時間のやりくり、ペース配分に腐心し、夜中や早朝に練習せざるをえないこともあります。

眠さと、うまくいかないもどかしさで涙が出てしまう日も・・・。

でも、やっぱり音楽が好き。

楽しい時間なのです。

仕事で煮詰まったとき、家族に難しい問題が降りかかったときは

自分を支えてくれる存在であり、厳しさを乗り越える原動力にもなりました。

職場の方々や家族とは違う場所、仲間に癒され、元気をもらうことも数知れず・・・。

今回は、この10年所属している弦楽合奏団について書いてみようと思います。
ちょっとクセの強い?「THE ANTIQUE BAND」

「THE ANTIQUE BAND」は、今から15~6年前、大学のオーケストラで熱心に活動していた二人の若者と、オケを指導していたコントラバス奏者の音楽談義から生まれました。

独自のコンセプトについて語り合ううちに、「バロック音楽と20世紀以降の音楽を、指揮者なしで演奏する」という方向が打ち出されたとのことです。

以来、今年で15回を迎える定期演奏会をはじめ、合唱団との共演やロビーコンサートなどでも一貫してバロックと近・現代曲を演奏してきました。

岐阜という場所柄を考えれば、人気の高い古典派やロマン派の曲を除外するのは、かなり思い切った選択です。

歴史の宝物のようなバロック音楽ですが、ヴィヴァルディの「四季」やパッヘルベルの「カノン」のようにポピュラーな曲は意外と少ないのです。

大学オケで取り上げない作曲家も多く、若い団員達には音の出し方や弓の使い方から、演奏スタイル、曲へのアプローチ等々手探りからの出発でした。

20世紀以降の音楽もしかりです。

今を生きている私たちの精神を表現しているとはいえ、時代の淘汰を受けていない玉石混合からの選曲。

なじみのない曲をまとめ、説得力のある音楽として聴衆に届ける難しさ・・・。

「知る人ぞ知る、隠れた名作や秀作に光を当てる役割を担いたい。」という思いが空回りしてしまうこともありました。

岐阜初演の曲も多く、アンケートには「正直、よく分かりませんでした。」「やっぱり”四季”が聞きたいな。」との言葉をいただくこともあります。

そういった声を受け止め、演奏者の挑戦や自己満足に終わらないためには

拙いながらもメンバー一人一人が真摯に練習を重ね、経験を広げながら合奏団の音楽性を高めていくことが求められるでしょう。

私たちは選曲の際も、練習の時にもよくしゃべります。

指揮者を置かないということもありますが、メンバーのひとりひとりが作品に対してもっているイメージを伝え合い、アイディアを試奏、比較しながら曲作りをしていくのです。

かつて指導者と教え子だった関係も、20代から70代までの年代差も、そんな練習を重ねるうちにあまり感じなくなりました。

ここ数年は、メンバーの誰もがソロやトップを務めるようになり、自由に発言できる演奏仲間、一緒に音楽を創っていく場に育ったように思えます。

これがちょっとクセの強い?「THE ANTIQUE BAND」の特長です。

働き盛りの年代が多く、時間との闘い、切り替えとバランス感にみな苦労していますが

仕事があるからこそ休日が待ちどおしいのと同じで

仕事があるからこそ音楽の時間がいとおしいし、新鮮な気持ちが保てるという一面があるのかもしれません。

練習には、名古屋や安城、郡上、遠くは和歌山からメンバーが集います。

「しんどいわぁ」と言いながら笑顔で練習場に入ってくるチェリスト

ドリンク剤の瓶をカバンにしのばせているメンバー

「食べないともたない❗」と昼食は大抵ガッツリ系

職場の行事担当と重なって、腰に不安を抱える私

でも気持ちの芯が喜んでいるというのか、何だか楽しい秋です。

今年の定期演奏会まで、あと6日。

ヘンデルの「合奏協奏曲6-3」、クープランの「コンセールのための5つの小品」、バッハの「ブランデンブルク協奏曲6番」、ストラヴィンスキーの「ミューズの神を率いるアポロ」とメンバーこだわりの名曲がそろいました。

「○○って作曲家を初めて知ったけれど、好きになった。」

「バロックっていいね。」「現代曲って面白い。」

「音楽って楽しそう。」

そんな言葉をいただけるように、苦しみながらも愉しい音楽の時間を過ごし、少しでもよい演奏会にしたいと考えています。

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